EPILOGUE
札幌の空は本当に表情が豊かだ.それぞれの季節,それそれの色がある.
その中でも最も好きなのが夕暮時だ.札幌の西の空が晴れていて札幌の上
空に薄く雲がある時,札幌の空はとてつもない色を見せる.西の方から
指してくる赤い色が札幌の上空の雲に散乱して,空を真っ赤に染め上がる
窓からの写真を定期的にとるようになったのはある夏の日.一本の電話からだ
テストで連日徹夜をしていた僕は午前中のテストを終え,しばし寝入っていた
その時,電話がなった.出るなりその電話の主はこういった
「空!!」
僕はカーテンを開け放った.見たこともない赤だった.とてつもない赤だ
馬術場の宿舎をシルエットにして濁りのない赤が空を染めていた
僕はぼう然と立ち尽くしていた.結局カメラを手に取る事さえできなかった
それ以来,僕は窓からの写真を撮り続けている

