2005年05月28日
AGFA PHOTO 破産!
Yahoo!ニュース - 共同通信 - フィルムの独アグフア破産 デジカメに押され不振に
来るべき時がどんどんと近づいてきている.そんな気がしてしまうのです.
アグファの件がどう転ぶかわからないですが,似たようなケースが去年ありました
2004年の8月にイギリスのイルフォードの工場がヤバイらしいというニュースはモノクロ写真家の間でかなり話題にのぼりました
元記事:manchester business “Fears for 700 jobs as Ilford faces closure”
イルフォードといえばモノクロフィルム,モノクロペーパーともに多くの写真家に支持されてきた老舗中の老舗です.創業は1897年です.イルフォードの事業は主に,イギリスのモバーレイ工場(740名規模)と,スイスに本拠があるデジタルインクジェット関連事業によって成り立っているようですが,その後を調べてみると2004年の9月にイルフォードのイギリス部門は管財人がたてられ,一度,事実上の破産をしていたようです.
元記事:イルフォード社 プレスリリース
ただデジタルインクジェット中心のスイスの事業は比較的業績が良く,この措置の影響を受けることなく事業は継続されるということでした.これは当然でしょう.しかし,気になるのはモノクロ写真関連製品です.
この管財人のコメントを読むと,基本的にはスイスのインクジェットビジネスに資源を集中するためにこの管財人は任命されたらしく,イギリスのモノクロ感材事業は,売却というのが基本的な方針のようです.もともとイルフォードの感材はプロ市場でも一般市場でも評価は高く,強みをもっていることは明らかなので,清算を前提にしていないようです.
イギリスの工場は375名に縮小される一方で,管財人はイルフォードの取引先に取引継続を求め,どうやらモノクロ感材についても,このまま供給が続けられるという見通しが書いてありました.とりあえずですが一安心です・・・
実際にイルフォード製品は値上げされながらも市場に供給されているようですね
すぐに従業員をレイオフ(一時解雇)する米国の会社とちがって,イギリスの会社は解雇などはぎりぎりまでしないのかもしれません.実際,8月にイギリスの工場がヤバイというニュースの時には,創業以来始めての解雇になるかもしれないという事でした.
ぎりぎりまで解雇をしないというのは企業努力の点から言えばすばらしいことなのでしょうが,危機的な状況でそれができないとなれば,会社毎サヨウナラになってしまいます.清算するしかないという自体になる前に,管財人によってリストラが決行されたというのは,従業員には申し訳ないのですが,世界中のイルフォード愛用者にとっては不幸中の幸いでしょう.
この記事には
1997年に8500万ポンドでイルフォードを買った!あるベンチャーキャピタリストは,ずっとこの会社を売りたがっていると出ています.いやぁ,買っちゃうんですねえ・・・もしかしたらスイスのインクジェット部門に注目したんでしょうが,その他の部分がずっと足を引っ張っているんでしょう.でもオーナーなら自分でリストラすればいいのに・・・組合が強すぎて駄目かもしれないですが.
いずれにせよ,現在は市場にイルフォード製品が供給されていますが,この分だと何時停止になるかわかりません・・・買いだめと言っても化学製品なのでずっと持つわけではないですからね・・・ああ,悲しい気分です.
投稿者 Fredrich Chang : 2005年05月28日 23:36